インタビューイベントマックスブログプロフィールpowered by MAX POWER

ハッテンバプロダクション特別インタビュー

10/04/09 17:16

event_100503.jpg

2010年5月3日(月・祝)at Art Cocktail
『 世界に誇るより他ない、ハッテンバプロダクション-GW関西お披露目トーク興業‐ 』


この度、大阪で開催されるハッテンバプロダクションのイベントに先駆けて
根本敬先生へ直撃インタビュー。
nemoto.jpgのサムネール画像
というのもハッテンバプロダクションとは一体何なのか?

すると一言で語れない
様々なトラブルの結果に結成されたプロジェクトであるようで
「今回は普段話さない事を語りますよ」とのこと。

果たして、この新プロジェクトの全貌はいかに??






その1:お金のトラブル


―「ノーギャラ」のガロからスタートしたことで、色々とお金の面でトラブルがあったと?

最初から金銭が発生しない世界でやってきてるから色々あるよ。
ガロに関係なく、この業界の悪い慣習としてね
誰かが「これ、ちょっとおかしいんじゃないの?」って言わないと。
結局、出版社とかマスメディアの世界っていのは
皆仕事が忙しいからって、どんどん次の仕事をやりっぱなしだからさ。
単行本出した時に、
ちゃんと印税契約を結んでる場合もあれば口約束の印税契約もあるの。

「○日にお金振り込みますよ」なんて感じで。
「じゃあそれで良いですよ~」って蛭子さんとか簡単に言っちゃうからさ。
その辺の意識がガロに係わってるに限らず、サブカルの人達は低くて。
なおかつ、これは非常に日本的なんだけど、
漫画とかエンターテイメントの業界での嫌な慣習として・・・
メジャーな人は別なんだけど、
マイナーの人達の世界では
最初にお金の話とか「ギャラがいくら」とか言われることはないんだよ。

イラストにしろ漫画にしろ。
例えば、漫画20Pとかやって「いくら貰えんだろ?」って。
「ページ¥15,000だったら、税金とられて・・・でも、ページ¥10,000だったら?」とか。
随分変わるんだよ。もし、ページ¥8,000だったら?これはだいぶ低くなるよ。
そうやって、みんな「いくらくれるんだろな?」って思いながら描いて
振り込まれて初めて分かるっていう。

―それは不安ですよね。

例えば新人とか、新人じゃなくても始めて仕事する人達とか
その辺りを最初に口に出すと、「これが最初で最後ですね」みたいな
空気感が生まれちゃったりする変な風習があるんだよ。
それが、いつまでもこういう状態が続いてるのはおかしいと思うんだ。
やっぱり皆それで食っていくんだからお金のことは最初に知りたいよ。
なにも安いから手を抜くとか、そういう話じゃないんだから
「ウチはこういう状況だから、大体いくら位になります」って言ってもらえれば。
メジャーの人が最初にやってるような事が、
マイナーの世界では旧体制として相変わらずまだ残ってんだよね。
だからお金の事とか最初のうちにハッキリさせといた上で仕事をしないと。

―別に安いからって「やりたくない」って訳じゃないですもんね。

そう。「いくらか?」ってだけの問題じゃなくてね。
例えば、聞きたくても
「この人は今回の仕事だけじゃなくて、
今後もイラストとかの仕事もくれるだろうから・・・」って、あえて聞かないってのもあるしさ。
また「いつ振り込まれるか?」って教えられるのも最後だったり・・・今でもあるんだよね。
3ヶ月後だろうと4ヶ月後だろうと明言してくれるのと、くれないのと全然違うからさ。

―漫画家って間にマネージャーが入って、その辺りをちゃんと交渉してくれる人がいる訳でもないですもんね。

だから、ちゃんと法人化してプロダクションを作って
マネージャーとかつけるくらいの意識がある人って・・・周りを見ても、
みうらさんとか、しりあがりさんとか数える程だもんね。
こっちは当たり前の事を主張してるだけなのに尾ビレがついてさ
「あいつはやっぱり金にうるさい」とかさ。
そういう陰口が言われるって事になるわけで、これが日本の嫌な風土だよ。
お金の事だけじゃなくて契約とかも
こっちは隅々まで契約書を呼んでハンコを押してるのに
それがちゃんと実行されてる出版社ってのもほとんど無いわけ。
印税でも何年も経つとロングセラーと呼ばれるような何十刷りもされてるのは別だけど
俺みたいな2~3刷りで10年くらい経ってもまだ時々売れてるみたいな本だったら
出版社の方は面倒臭いからって黙ってて印税とか支払わないでさ。

で、こっちもそんな事は忘れてるってことも結構あるの。

―それで、気がつけば凄く損をしてることも?

こういうのが社会参加しないで
学生とかの気分のままで漫画家になっちゃった人によくある話なんだよね。(笑)
この前もふと思い出してある出版社に取り立てに行ったらさ、
そこで18万の未払いがあったの。
その時は目の前で平謝りで小切手切ってくれたけど・・・、
むこうは10年間くらい契約を実行してないんだよ。
コレたまたま俺が思い出さなかったらゼロだからね。
でも2パターンあると思うんだ
みうらさんだったらそういう契約とかは糸井さんトコで叩き込まれてるから
「そりゃチェックしてない根本さんが悪いんだよ」って言うだろうけど
他の漫画家には
「そうなの?俺も契約書をちゃんと見直さなきゃ」って人もいるんだよ。

―契約書とかに縛られたくないから漫画家になったって方もいますもんね。

だから口約束だけで未払いが予想以上にホントに多い。
20年以上やってる人達は未払いを集めると相当な額になると思うんだ。

―それは「ガロの作家だからウチもノーギャラでも良いか」って部分もあるんですか?

いや、それはない。それは出版社と作家の関係だから。
たけど困るのは逆に言えばガロは漫画として作家にギャラが出ないからって
「ガロ」=「有名な同人誌」と勘違いしちゃってさ
「僕達も同人誌つくるから描いてください」って勘違い野郎はいるよ。
そういうのが一番困るよ。
でも金に困ってたらそいつ等の出す金の方が、
ヘタなエロ本の出版社より金が良かったりして描いたりするんだけど。(笑)割り切ってね。




その2:営業でのトラブル



―漫画家は漫画で食べていかなきゃならない訳ですし。

ホントだよ。それに、これは出版社によって全然違うんだけど
「本を出しました、雑誌に広告が載りました、どこどこに書評が載りました」
それで「コレはもう大丈夫だな」って思ったら大間違いで
そこの営業部の奴等が、ちゃんとこの本を売ろうと仕事をしてるかどうか
ってところまで認めるようにしなきゃいけないって思うわけ。

―やっぱり本が売れないとやっていけませんもんね。

最近クレイジーケンバンドと一緒に出した「亀コロ」っていう絵本なんだけど
発行部数からなにまで考えて、「何故まだ重版されないのか?」って調べたらさ
結局、クレージーケンバンドってのがあるから
「ツアーで会場の物販で並べたり、お得意先のタワレコとかに並べたら売れるだろう」
ってだけで一切営業努力をしてないっていう裏が取れたんだよ。
いつまで経ってもダラダラダラダラと・・・・、最初からそーじゃないかとも思ってたんだ。
だから、「お前等それでいいのかよ!?」「だったら営業って何なんだよ!?」ってさ。
それを言うために、最低50部は著者が営業に行って売ってやろうと思って。

そこでガロとかアックスとか取り扱ってる、俺の本が強い本屋のリストを作ってさ。
手製でさ、書店への注文用紙を作ってね。
今のところ、何店舗からか買取注文はとれたんだよ。

―根本さん自ら営業をされたんですか?

新聞の書評なんて、あんまり売上には関係ないって分かってたしさ。
やっぱり、現場の感覚っていうかそういうのが分からないと。
それで俺の中で「GO」が出てね、これから書店営業も行くんだよ。
「1冊でも!2冊でも!」って直接言うのと言わないとは全然ちがうもんね。
そういう感覚のない奴等が営業の人間に集まってるのがハッキリ分かったから。
だから、喧嘩をする前に自分でって・・・
でも、これが喧嘩にならないってところが実は1番虚しいトコロでさ。
だってコレ、普通の感覚をもった営業マンだったら
そんな事を著者がしてたらさ
「これは俺達の業務だ!」って「何やってんだ!」って事になるけども。
でも今はコレ(根本さんの手製の注文書)が来ただけじゃ
「あ~何だこりゃ?、誰か勝手に作ったんだろ」って。
あるいは「あの人、なんか頭が変な人だから」とかそれで終わり。
だから、この喧嘩にもならない虚しさ。
今はホントにさ係わってる人間達の全体がさ
香山リカの言い方だと「人間が劣化してる」ってね、まさに劣化だよ。
1人1人の意識がどんどん薄くなってるから。
昔ながらの編集者って「あくまでも商品」っていう「売りモノ」として作ってるからさ。
それを何か自分たちの所定のラインに乗っけて、それで「ハイ、営業終わり」みたいなさ。

―この本が売れなくても別に自分に対してリスクが掛かってこないという?

そうだよ、全然掛かってこないもん。
会社の経営母体が売上を出してたら良い訳だから。
だから自分で売ろうって。(笑)
だけど疲れたよ。60店舗もさぁ・・・
「これは作家がやる事じゃないな、営業がやる事だよ」って。(笑)

―そうですよね(笑)

そういうとこに意識が表れるよね。
俺の繋がりで大量に買い取りで扱ってくれるっていう店舗とかもあるじゃない?
友達だったり世間話営業っていうか、そういうトコは全てサイン本にしてあげたりして。
なのに、出版社が発売日に本を届けるの忘れてたってこともあるわけ。
こういう事があると「なんだよコレ!何やってんだよ!」ってなるわけ。
俺が電話しなかったら、きっとまだ忘れてたよ。
だから、漫画描くって事以外の自分たちの権利とか、あるいは本の営業とか
何か本来の創作とは別のところにも色んな配慮をしなきゃ
漫画家も生き残っていけないぞっていうか。

―結局は「漫画で食べていきたい」と思ったら漫画以外の事も管理出来なきゃと。

うん、出来なきゃならないなって思った。
それに気づくのに20年だよ(笑)・・・遅かったね。




その3:HATTENBA PRODUCTION


http://hatten823.blog99.fc2.com/(ケータイにてURLを受信)

で、一体これは何なのか?って話だね。

―英語で書かれてますけど・・・

要する何かっていうと、俺のホームページの方に海外からのオファーとかがやたらあるんだよ。
昔から知ってる外人から、海のものとも山のものとも思えない奴からのもあれば、
正体不明な奴とかいっぱいいるんだよ。「絵は1枚いくらで買えるのか?」とかさ
「こういう展覧会があって、こういう本を出さないか?」とか。
知り合いのアメリカ人とかイタリア人とかを通じて対応してもらったりしたんだけど、
外人相手のちゃんとした専用の窓口を設けたいと思ったの。
っていう俺個人の事がまず1つ。

2つ目が、蛭子さんの海外の認知度があまりにも低すぎる。
しかも日本でもマガジンファイブっていうバカなところが
蛭子能収コレクション全21巻ていうので7巻出したところで会社が潰れちゃって。

蛭子さんのあの全集見たことあるでしょ?「○○編」とかさ。
そうじゃなくてさ、こういうのはミュージシャンで言えばアルバムと一緒で
その時々の時代で作ったモノを
縦にまとめられて、そこにタイトルがついて意味がある訳でしょ?
なのに、あんな風に時代背景を無視して横に別けてさ、
安直に身近なライターに解説を書かしたりとかさ。
「こんな本売れるわけないじゃないか」って思ってたら会社が倒産しちゃって。
でも、それでダメージ受けたのはやっぱり蛭子さんでね。
本当は新潮社からそういう蛭子さんの漫画が文庫シリーズで出るって話だったのにさ
「いや前からの付き合いで断りきれんで」って
今の奥さんの反対を押し切ってそっちを選んだの。
結果、蛭子さんが「漫画家として凄い」って事を日本で分からすには
単行本を出さないといけないんだけど、蛭子さんの昔の単行本なんて
結局最終的にはゾッキ本として神保町に並んだんだよね。
だから少なくても5年は経たないと新刊には出せない。
その間に、62才の蛭子さんが67才になるって物凄いタイムロスだなっていう。

もともと蛭子さんが金の交渉でも何でも
「俺はアーティストだ、プロだ」って態度をとれば良いのにさ・・・それが無いからさ。
そうした蛭子さんの面をカバーする役割として
海外で蛭子さんの実績をつくらせるわけね。もっと海外に露出させて。
じゃあTVとかでも「あの蛭子さんが海外で!」ってなるわけじゃない?
TVの力は大きいからね。
そういう形で日本に逆輸入的に蛭子さんをカムバックさせようっていう。

3つ目は、何でここに佐川一政※が入っているのかっていうのも
佐川さんはやっぱり行為の引き金になるのは
経済的な問題で緊迫して自暴自棄に追い込んでそれで「やろう」ってなるの。
俺、何回かタイミングよく止めてるんだけどさ。
でも海外には有名な犯罪者が描いた絵が高値で売買される市場があるんだよ。
だから佐川さんにおとなしく絵を描かせて経済的な援護を与えれば、
ああいう事件も再犯しないっていう。

そういうエクスキューズから入るのもなんだと思うんだけどね。

※佐川一政: ピンとこなかった人はご自身で調べてみて下さい。



―それで海外に打ち出そうというわけですか?

しかも、コレがたまたまでね。
駅前の喫茶店とかで1時間いくらかで個人レッスンしてくれるっていう
英会話教室みたいなやつにわざわざ授業を受けにいってさ、
いきなり一か八かで「こういう理由で・・・」って。じゃあ聞いた瞬間、
むこうがニヤッてしたから「これはイケる」と思って事情を全部話してね。
で、こっちが書いた文章をビジネス英語に書き直すっていう関係を築けた。

―すごい偶然ですね(笑)

やっぱり佐川さんは本当にパリで人殺して解体して食べちゃった人だから
「何でそんな奴を入れるんだ!?」って凄い反発はあるけど、
それは注目される切っ掛けにもなるからさ。
だって俺は世間に放置しとくと、また再犯しちゃうから
「我々は犯罪を阻止するため」って理由があるんだよ。
「だから皆さん買って下さい」ってさ(笑)

実際に佐川さんの場合はローリングストーンズがさ、
事件の年に出した「TOO MUCH BLOOD」って曲も事件を受けて
「オレの友達の日本人がパリで彼女の首を切り落とし・・・・」って歌詞で
PVも冷蔵庫に解体した身体が入ってるホラー映画みたいなのを作ってあるのね。
だからISSEI "TOO MUCH BLOOD" SAGAWAって名前にしてさ
ベロ出したTシャツと着たらストーンズファンも引っ掛かるという(笑)
それに佐川さんは
本当にやってる人だから、絵も自分が本当にやった事を描けば良い訳だし(笑)

―ホンモノですもんね(笑)

蛭子さんも特に残酷な漫画を集めてさ。(笑)
じゃあ、いつも間にか俺も人殺してるみたいな噂がたったりしてね。(笑)

―主にどこの国に向けて発信していくとかあるんですか?

主にヨーロッパとかが一番反応が良いかな。
まぁ少なくともマルセイユ、行き詰った奴は大体マルセイユに流れて来るからね。
オルタナティブコミックやアンダーグラウンドコミックとか
それ以外にもさジャンクアートの世界があって
漫画の1コマみたいな1枚画なんだけど、それがアートとして受け入れられててね。
あきらかに精神的におかしくて、海外の蛭子さんみたいなのがいるんだよ。

―だったらウケそうですね。

それに今回のジェネラルマネージャーはさ
大学出てからちゃんと社会人としてスーツを着て仕事してるから
ちゃんと世の中のことを知ってるからさ、もともと印刷会社の海外交渉担当だから。
既に限定千部で俺の「亀の頭のスープ」をA4サイズで出版待ちなの。
ビジネスだから、その辺はむこうはキッパリしてるからさ、
データが届いたって時点で即金っていう。
その千部も自分たちで刷って製本するっていう世界だからさ、
本を作ること自体がアートっていうね。
今までオムニバス本とかに参加したりしたけどギャラは現物支給だったのが、
今回はジェネラルマネージャーを通してロイヤリティとかちゃんと交渉して話し合ったから。
スキャニングとかもジェネラルマネージャーの
10年来の付き合いと信頼がある会社がむこうにあるから、そこに任せた方が良いと判断して。
絶対にそこで出るニュアンスとかもあるし一回フランス人にろ過させるのね。

―じゃあ、こちらとしてもどんな物が出来るか楽しみですね。

そうそう。

―実際にいつごろから始動しそうなんですか?

もう翻訳関係は終わって。あとは蛭子さんの書版類をいくつか揃えて・・・すぐだよ。

―高く売れそうですね。

俺もヨーロッパの友達にリサーチしたんだけど
あっちももの凄く不景気なんだけど、でも金持ってる奴はいる訳だからさ。
逆に言えば、だからこそ
金を持ってるコレクターは「何でも買おう」ってモードに入ってると思うんだよ。
俺が狙ってるのはその辺だね。

―そこが上手くいけば日本の漫画家の海外での活動がうんと広がりそうですね。

少なくともインディペンデントっていうか、
自分たちで海外に向けて積極的にやってる人がいないわけよ。
例えばメジャー誌はそこで部署をつくって「マンガ」って打ち出してるわけでしょ?
またアックス関係の作家でも
「オルタナティブコミック」って結構うんざりする程沢山出てきているんだよね。
じゃなくて、俺たちが狙ってんのは「コミックアーティスト」。
マンガの1枚画をサラサラって描いてさ、
それで何万ドルみたいなキ○○イみたいな世界にうまく溶け込むんだよ。

実際そういう人達が世の中にもいるし。
そういう人達の知り合いが言うには
「日本では根本さんと蛭子さんはそういう人達の間逆にいますよ」って。(笑)

―しかし、海外では?と。

だって、こっちには1人ホンモノの世界的にな・・・ね(笑)




その4:これからのオルタナティブコミック


―現在、メディア界や出版界の変革期だとよく言われますが
  根本さんの様なオルタナティブカルチャーはどうなると思いますか?

これから、メディアってものがどういう形態で定着して
50年や100年の一定の時代を保つのか分からないけど。
それが、そう遠からず
ある程度のカタチとしてハッキリしておぼろげに見えてくるんだと思うんだよね。
でも、それがどういうカタチで定着しようが
我々の世界の最低部数の3千~3千5百の人達は
「ぜったい漫画は紙に描いてあるのが良い」って思ってるはずなんだ。
だったらもう描き下ろしでやり続けるよ。

実際これからはホントにね、月刊単行本だと思うよ。

―それに海外も視野に入れればインディペンデントでもちゃんとすれば戦えるという?

そうだよね。何か自費出版の漫画と、あと個展みたいなスペースをつくって絵も売ってとかさ。
そういう方法で「Le Dernier Cri」っていうマルセイユのアート集団とかはやってるんだよ。
それに、アメリカとかフランスのインディペンデントな奴等って部数も1000部くらいで作っててさ。
例えば、俺のこれから出す「亀の頭のスープ」だって
A4サイズの自分の手作り製本で1000部って日本の出版じゃありえない贅沢じゃない。(笑)
彼等の作ってる本っていうのは皆凄い贅沢なんだよ部数が少ない分。

―そうした海外の情報なんかも今はインターネットなど使えば簡単に分かりますしね。

それで皆分かった気になっちゃうんだけど
ところが本当に情報っていうのは、あくまでもそれを手がかりに現地に行かなければ
本当の事は絶対にわからない。
俺もこないだ「生きる2010」の描き下ろしで2人がデキてるって設定の
何かホモッぽいモノが滲み出る漫画を描こうと思ってさ。
そこで「これはちょっとあやしいぞ」っていう
浅草の地域の色んな噂とかからあたりをつけたホテルで1週間宿したんだよ。
で、実際そのホテルに1週間投宿してみたら
皮膚感覚で感じるあきらかに見えない精子の地下水脈がこの辺一帯には流れてる、
女なんか寄せ付けない磁場があるんだよね。
それは、やっぱり行ってしばらくいないと分からない。

―やっぱり「体感」があるとないじゃ大きく違いますか?
 
わかった気になっちゃってるのが一番コワイからね。
例えばポンチャックっていえば韓国の音楽だって分かるけど、
それまでは誰も知らなかった。だけど、昔からあったモノはあったモノで。
でも、それってこっちが韓国中を何度も何度も渡り歩いてね
それで調査発掘をして「こういうモノがあるぞ」っていう。
今はネットで調べれば出てくるけど簡単な解説だけで終わりだもんね。
本当はもっと深いモノだから。

―では、今年は自身の作品は勿論ハッテンバプロダクションとしても色々と計画されてるんですか?

「生きる」も20年ぶりに描き下ろしたし(「生きる2010」青林工藝舎より発売)
「因果鉄道の旅」と「人生解毒波止場」の文庫本も幻冬舎から発売するし、
DVDも出す予定でね。今年はやりますよ(笑)


― 完 ―


皆さんお分かりになったでしょうか?
この新プロジェクト『HATTENBA PRODUCTION』とは何か。

そして来る5月3日に
このハッテンバプロダクションによるイベントを開催!!


『 世界に誇るより他ない、ハッテンバプロダクション -GW関西お披露目トーク興業‐ 』
2010年5月3日(月・祝)at Art Cocktail
open18:00 start18:30 前売2500円/当日3000円(1ドリンク代別途500円)

event_info.jpg

トークは勿論ここでしか見れない持込素材を大放出。
そして何より、『生』の先生方を体感する他ないでしょう。
なんせ
「現地に行かなければ本当の事は絶対にわからない」のですから!!

根本敬 (ねもと たかし)

1958年6月28日生まれ。自称・特殊マンガ家、蛭子劇画プロダクション・チーフ。他に文筆・映像・デザイン・講演・出版プロデュース、「幻の名盤解放同盟」として廃盤歌謡曲復刻など多岐に渡り活動。「因果者」「イイ顔」「電波系」「ゴミ屋敷」などといったキーワードを作り出し、悪趣味系のサブカルチャーへ与えた影響は大きく、日本のオルタナティブ・コミックの作家のなかでも、極北に位置する、もっとも過激な作風の漫画家である。2008年に第11回みうらじゅん賞を受賞。

WEB) 因果鉄道の旅とマンガ

Twitterでのつぶやかれ


大橋裕之インタビュー寺田克也インタビュー根本敬インタビュー蛭子能収インタビュー根本敬インタビュー石原まこちんインタビュー