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寺田克也氏インタビュー「なぜ絵を描くのか?寺田克也という人物に迫る!!」(2/8)

11/01/05 11:00

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「卵が先か?鶏が先か?」てなことで漫画も「絵が先か?ストーリーが先か?」となると
…まぁ、それは人それぞれで。まして正解があるってものではないでしょう。
だけど、漫画家さんの話を聞いていたら多くの方の原点は「落書き」なんですね。
昔から落書きが好きで、漫画を描くようになってというような。

そこで今回はその原点である「落書き」という点に注目しながら
自称:ラクガキングでもある漫画家の寺田克也さんに突撃インタビュー!!
果たして、寺田克也という人物はなぜ絵を描くのか?




2 独りだから努力の仕方もわかんない


■ イライラしてた小学生時代

― 小学校になると、やっぱりクラスで「絵がうまいヤツ」だったんですか?

そうそう、寺田いうたら「絵描きよるヤツ」みたいな。
「絵」といえば寺田と。

― 皆にそう思われるのはどう感じてました?

嫌やったよ。

― 嫌だったんですか?

自分が思っていたモノが描けた試しが一回も無くて。
自分としては下手やったから、何故これがうまいって言われるか分からんかった。
「これを褒めるお前等はアホか?」みたいな(笑)

― 冷静な子供だったんですね(笑)

その頃から凄く自覚的に描いてたんで、自分が下手なのも良く分かっていて。
だから、「うまい」って言われたらイラッってした。
「どこ見とんねん?」って感じでね。
うまいっていうのは、他の人よりも早く描き始めてただけだからさ。
オレから見ると、めっちゃ面白い絵を描く友達とかいてそっちの方が全然羨ましかった。

― 面白い絵ですか?

似顔絵とか描いても、オレのは微妙に似てるんだけど全然面白くないの。
だけど、そいつが描く絵はあまり似てないけどめちゃくちゃ面白い。
どっちが良いかとなると、オレの中では絶対的に面白い似顔絵の方が面白いから・・・それが凄い劣等感でね。
なのに他の人がオレの絵を見て「うまい」とか言うから、
余計にこう・・・オレはブルース・リー化していくわけ。

― 気難しい小学生ですね(笑)

捻くれてると言えばそうなんですけど、自分に酔えないところが小物で。
「うまい」って言われて、ヘッヘ~ンってなれたら楽だったけど。
「確かにキミよりはうまいけど、自分よりうまい人はいっぱいいるから・・・」っていう感覚は未だに強くあるよね。

― 今でもありますか?

全然変わらないよね、拭い去れない。

― じゃあ、自分の絵を見るとコンプレックスが?

そうだね、嫌なトコしか見えないから。
描けないトコとか。

― 描けないトコ?

ある程度、描けるモノが増えていくと同時に描けないモノが分かってくるんで。
「アレも描けない、コレも描けない」ってね。
だから・・・何て言うんでしょ?
「うまさ」っていうのは、人から見ると相対的なモノなんでしょうけど
自分の中には、絶対的にうまい絵っていうイメージがあるから。
まだそこに到達できていないので、自分からうまいって感覚にはなれた例が無いですね。
時々「うまく描けたな」って思う時もあるけど、
それはカラオケで「めっちゃ今うまい」みたいな感じ。

― 時々ありますよね、「今日めっちゃ声出るぞ」みたいな(笑)

でも、録音して聞いたら最悪みたいな事で。
絵も翌日見るとガッカリって事もよくあるのであんまり信用してない。

― でも小学校の頃から理想の絵を追い求めるという自覚があるなんて、かなり早いですよね。

そういうと勤勉な子供のように聞こえるけど、実際は何もしてないから。
落書きしてただけなんで。
若い頃って想いばかりが溢れるじゃないですか?ウワァーッって。
そんなもんですよ、毎日ずぅ~と空ばっかり見たりして生きてるだけで(笑)
頭の中には「こんなにうまくなって・・・」みたいなイメージが凄かったんですけど、
言ってるような努力はしてない感じの子供でしたね。
人間はそんなに勤勉に出来てないので。
また、そんな毎日が無為に過ぎていくのがまた嫌でね。
だから子供時代は裕福ってわけじゃないけど、
ちゃんとメシも食べさせてもらってたし不自由なく生きて来れたから恵まれてたわけですけど・・・中身的には自分への葛藤があってね。
なぜ小学生からそんな事を考えてたのか分からないけど
「オレ、何やっとんじゃ?」と。(笑)

― ははは

傍目から見ると楽しい少年時代なんですけど、自分の中では焦燥感がもの凄くあって。
それは専門学校を出るまでずっと続いてたよ、また段々とそれが高まっていくし。
多分、自分が思っている事に対して自分が努力をしてないから不安でしょうがないんだよね。練習してない試合の当日みたいな感じの・・・それも未だにあるけど。

― だんだん「画家になる!」が「画家になれるかな?」に変わっていく感じですか?

いや、「なれるかな?」は無いんよ。
もう「なる」のは決めてたんで。「なれない」なんて事は考えない。

― じゃあ「自分がなる画家」の理想がどんどん高くなっていってしまう不安?

そうでもなくて・・・つまり現状として「今、自分が小学生だ」という事にイライラしてたという。(笑)

― はははは(笑)

中学になっても、「何でオレ、中学生やねん!!」いうね。
意味も無くイライラしてた。

― はやく画家になりたくて仕方なかったと。

結局、子供の頃って何も具体的じゃないし現実的でもないから。
ただ闇雲に漠然としてるだけなので余計に取っ掛かりが無いし。
高校くらいになると「将来こうしてああして・・・」みた色んなものが現実的に見え始めるけどさ、
中学生くらいまでは、何もしてないのに道筋だけは見えてるみたいな状態だったんで。
そんな子っていっぱいいると思うんですね。
例えば、サッカーの選手になりたいっていう子は
サッカー少年団とか部活に入ったりするわけ。
すると、周りにも同じような少年達がいて練習を嫌がおう無くしてヘトヘトになって帰って来て、その中で日々ちょっとづつうまくなってきたりして嬉しかったりするわけじゃない?自分の位置というものを確認しながら成長していけるし。
でもオレの場合は独りだから努力の仕方もわかんないから。
サッカー少年がしてるような練習を自分がしてるか?っていうと
家に帰ってボーッと、足バタバタさせてがら落書きしてるだけ。(笑)

― 寝転がって(笑)

「これは練習とは言えない」って感じでね。ラクガキしてるだけだから。
でも、何をどういう練習をしていいのか自分で分からない。
だから、ただ線を引いてるだけ。

― 例えば、絵画コンクールに応募しようとか?

無いねぇ。
もともと考え過ぎるタイプなんで、コンクール出すっていうような積極性も無く
ただ頭の中に壮大な道がドーンとあるっていう。
大体、みんなそうなんじゃない?マンガ家型は(笑)

寺田 克也 (てらだ かつや)

1963年12月7日生まれ、岡山県玉野市出身。
イラストレーター、漫画家、ゲーム・映画のキャラクターデザイン、小説の挿絵など様々な分野で活躍。滅法絵のうまいイラストレーターと評判で、海外にまで熱心なファンがいたり、「ラクガキング」と名乗るほど膨大な絵を描くことでも有名。

WEB) terras book
BLOG) terada's book brog
SHOP) TEE PARTY / 寺田克也半袖店




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