インタビューイベントマックスブログプロフィールpowered by MAX POWER

寺田克也氏インタビュー「なぜ絵を描くのか?寺田克也という人物に迫る!!」(7/8)

11/01/10 10:30

interview_terada.jpg

「卵が先か?鶏が先か?」てなことで漫画も「絵が先か?ストーリーが先か?」となると
…まぁ、それは人それぞれで。まして正解があるってものではないでしょう。
だけど、漫画家さんの話を聞いていたら多くの方の原点は「落書き」なんですね。
昔から落書きが好きで、漫画を描くようになってというような。

そこで今回はその原点である「落書き」という点に注目しながら
自称:ラクガキングでもある漫画家の寺田克也さんに突撃インタビュー!!
果たして、寺田克也という人物はなぜ絵を描くのか?




7 「なりたいんですけど、なれないんです」って言う意味が分からない


■ これから目指す人達へ

― 今、自称も含めて「イラストレーター」という肩書きの人って沢山いるじゃないですか?

めっちゃ多いね。

― 魅力的に見える職業なのかも知れないですけど

楽そうやしね

― ネクタイを締めて会社勤めをしたくないって思ってたり

「会社勤めをしたくない」っていうか、オレの場合は出来ない。
とても出来ない・・・ある意味、社会不適格者なんで。
オレには不可能だろうって思ってるからこんな仕事をしてる。
「したくない」じゃなくて「できない」と思うからやってないっていうのがある。
確かにイラストレーターって楽に見えるのがあって・・・実際に楽な部分もあるしね。
満員電車に乗らなくて良いし、好きな絵を描いて生きていけるっていうのもあると思う。
そこを目指してやるのは間違いじゃないと思うしね。出来るんならだけど。

― これから「オレも絵で食っていきたい」っていう人にメッセージとかありますか?

無いですよね。
「やればいいじゃ~ん」っていうね。

― ははは(笑)心掛けとか?

正解はその人の中にしか無いんで
やり方も違えば、出会う人も違う訳だから
「オレはこうだったから、お前もこうしろ」なんていうのはありえない話でね。
全然違う道は絶対あるはずなんで。
1つだけ言えるのは「なりたかったらなれば良い」っていう事だけ。
「どうすれば良い?」という話ではない。
「なりたいのに、なれません」って言ってる人の話はよく分からない。

― 「なりたいのに、なれません」ですか

ほんと、そういう人は分からなくて。
なったうえで、駄目だったら辞めればいいけど
なる前に「なれない」っていうのはちょっとよく分からない。
どんな下手でも良いのにね。

― 「イラストレーターなりたいんですけど」なんて相談されても

「今日からなったらいいじゃん」としか思えなくて。
これは突き放しているような言い方になりすけど
でも、そうでしかないから。
何か分からんけど・・・
職業って向き・不向きじゃないっていうのがあって
「決めてしまう」っていうのが1番大切じゃないかな?
それでしか、その上にいけない気がするんですね。

― なるほど、まずは決断。

「オレにこれは向いていない」なんて言ってると
多分、ずっとそう言ってしまうんじゃないかと思う。
何事にも正解はなくて、自分で正解にするしかない。
オレは子供の頃から「絵」を選んだだけだから
向いてるとか向いてないとか考えたこと無いもんね。
人から見て才能だとか色々言われるかもしれないけど・・・それは分かんないから。
もし才能があるんだとしたら、それは運が良かったとしか言いようがない。(笑)
だったら「運が良かったです」って答えるし。
でも、才能が無くてもオレは多分やってるし。
それを決めないと自分が勿体無いじゃないですか?
アレもコレもって出来るほど器用じゃないし
いっぱい資格とって、その全てにおいてトップだなんてことは絶対に無理だし。
そんな人はいないしね。
決めてしまって、例えば10年やれば何かしらになるじゃん?
3年食えれば・・・多分10年食えるよね。
だから「まずは3年食ってみる」とか、その中で頑張るとかでしかない気がする。

― とにかく決めて、まずはその中で頑張ると。

たまたま、オレは「絵で食う」っていうのを決められたことは幸せであるけど、
「『決めた』って事をブレない」っていう点では自分を褒めてやりたい。
駄目だと思うなんてことは、いつでも思えるんで。
オレも自分が「絵が描けなくなったら辞めれば良いじゃん」っていうのが
何となくあったりするわけですよ。
でも、そこは・・・「やっていくしかない」っていう感覚なので。
他にないからね。

― 寺田さんは専門学校の時に幸い仕事をもらい「食えていける」具合になったわけですが
もし食えてなかったら?


食えてなかったら・・・もちろん「辞めろ」ってことやから。

― それまでの男だったと?

そうそう。また、そっから考えればよい事なので。
「やってから分かる」って事は沢山あるから、やってから辞めるのは全然良いんだけど。
だから、学生で「イラストレーターになりたいんですけど、なれないんです」って言ってる人をみると、意味が分からなくて・・・「えっ?」って。(笑)
そういう人には、何を言ったって無駄でしょうから。
勿体無い話だよね。

― やっぱり「自分は食っていけるのか?」って思いますしね

不安は分かるので。
といって努力をしろって話でもなくて・・・
やっぱり覚悟はしないといけないじゃないですか?何かをやるときは。
3年間食えなくなるとか、10年は食えないけどとか。
その決めることの何が嫌なのかなって思うよね。
3年4年やって向いてないとか、そういうのはあると思う。
でも、向いてないっていうのも
単なる人間関係だったりする場合もあるし、たまたまその場所が悪かったって話もあるし。
そういう運も絶対あるしね。
運っていうのは意外と大きいから。
でも、所詮は運なので、場所を変えると変わるかもしれないし。

― 寺田さんは運ありましたか?

オレはついてたと思うよ。
才能とかだけでは成り立たないものは絶対あるから
誰と知り合うみたいなのも運だから。
学生の時に先生と知り合うとか、オレに考えを教えてくれる本とか人に出会うのも運だし
でも、その出会う運に「運が良かった」って思うチカラがないと。
悪い方ばかり考えると足りないものしか見えなくなるから。
足りないものを見ててもしょうがないので。
「オレには金が無い」とかも、健康やし働けば良いやんって。
精神もカラダも問題ないのに、でも駄目なんです・・・とか言うのは何か勿体無い。

― ちなみに、寺田さんは絵以外にアルバイトとかしてました?

高校の時にアスファルトを轢くバイトを1回だけしたけど、
基本的に絵で食えなかったら意味がないと思っているので
阿佐美の時もどんなに金が無くてもバイトをしなかったです。
高校と専門学校は完全に親の世話になろうと決めちゃってたので。
親が破産しない限りは、その後は絶対に自分で食えるようになると思ってたので
とにかくココだけはと、食費は貰ってましたね。家賃はいらないから。

― じゃあ「良い服を着たい」とか?

そんなのは全然無い、親父のドカジャン着てたんで。ずっと同じ靴を履いて。
その頃はそういうのには興味は無かった。
もちろん、そういうものに興味を持つなって言ってるわけじゃなくて
オレはたまたまそうだったってだけで。
で、それでいけたっていうのがラッキーだったんですね。
自分が受けてきたラッキーっていうのを凄く自覚的に捉えているので。

― 自覚的にラッキーを捉える?

たまたまではないし、持ってないモノは悔やんでも仕方ないし。
失敗したことも反省して次に生かせれるかだし。

― 絵を描くときにモノの構造を理解して描くように、自身の生き方も理屈的にを捉えている感じですね

出来るだけね。感情はまた別だけども。
意外と人間は理詰めで生きていけるはずなのに
感情で損してることが多いじゃないですか?
落ち込んでるときに家から出ないとか、もしかしたらその日に家を出てたらもの凄い出会いがあるかもしれないし。
それはとても無理な前向きな話であるけど(笑)
でも、そうかもしれないでしょ?
その理性っていうのは人しか持ってない一番大事なモノだとも思ってるんで
それを最大限に活かしたいなって思うのがあって。
何かその・・・無駄をしたくない。
無駄をすると後で面倒臭くなるので
それは何となく自分の人生で生きてきた教訓だったりするんで。
だから、さっきも言ったように
根がズボラなので、今キツくても後で楽な方が良いから。
先日にも神戸で、しりあがりさんの教えてる大学でトークショーに出たときに
後で楽する理論ということで「アトラク理論」っていうのを話してたんですけども
今は分かんなくてもさ、やっとけば後で楽だからって
特に学生の時なんてそうだから。
自分がやってる事に自覚的になれないけど、言われたことをやってるだけで
何かしら身についたりするんで。
これは「アトラク理論」と捉えて、後で楽だからって。

― なるほど、後で楽する「アトラク理論」ですね(笑)

あまり自我とかも信用してないんですね、「自分が、自分が」ってやると凄くそれで損することも多いんで。
だから他人が言うことはわりと聞きたいし
流れにあまり逆らわないっていうのは基本姿勢なんで。

― 進路の分岐点も誰かの意見を聞いてますもんね。

そうそう、大抵そうした意見には正論が入ってるので。
オレは正論が好きだから。
若い頃は正論しか言わないからすごい嫌な感じだったんですけど(笑)
要するに自分をそんなに信用してないので、自分より理屈の方がエライと思ってるの。
だから、独裁者にすると酷いタイプになる。(笑)

― ははは(笑)

その感覚が良いか悪いのかどうかは分からない。
人はやっぱり感情の生き物なんで、感情を無視したら生きられないから。
いま言ってるのを推し進めていっちゃうと、もの凄く人の感情を逆撫でして生きていくことになっちゃうから。それは本意じゃないんで。
感情も大切なのは分かってるけど、自分の感情を大切にする余りに自分で損している人っていうのがホントにいっぱいいるからさ。
それは見てると辛い時があるよね。
才能があるのに来てない明日の事で悩んで今日を台無しにしてる人が多いでしょ。
それも運だと考えると、脳の構造でセロトニンだかドーパミンだかそういう成分が少ない人なのかもしれないし・・・分かんないじゃん。
たまたまオレは親父ゆずりの楽天家なのか脳の血筋的なものかもしれないけど、それはラッキーだった。
落ち込む人って、落ち込みたくないけど落ち込む人だから、
それを落ち込むなっていうのも難しい話で。
そうじゃなかった自分がラッキーなだけで。
若い頃はそれがわからないから「損だよ」て平気で言ってたけど、今はそうではないし。
「そういう人はやっぱり辛いだろうな」ってのがあって・・・難しいですね生きるのは。
こんな性格で良かったっていうのが一番のオレのラッキーですね。
でも、それはそうじゃないところに生まれてたら違っただろうし。
人を殺してたかもしれないし「オレを認めないお前らのせいだ」って。

― それはもう分からないですよね

でも、極論で言うとその人のせいですらないような気もしたり。
持って生まれたものと考えればどうしようも無いやんって。
ただ、今は色んな人の知恵とかを読んだり経験出来たり出来る時代だから
自分がそうだとしても、理性とか理屈を信じることで
もう少し楽に生きられるんじゃないか?とかね
そういう事は思ったりするんですけど・・・話がズレてるんですけど。
そのために、そういうものがあるような気もしますしね。

― なるほど・・・理屈を信じて楽になる。

何か・・・何だろう・・・何の話してたっけ?(笑)

寺田 克也 (てらだ かつや)

1963年12月7日生まれ、岡山県玉野市出身。
イラストレーター、漫画家、ゲーム・映画のキャラクターデザイン、小説の挿絵など様々な分野で活躍。滅法絵のうまいイラストレーターと評判で、海外にまで熱心なファンがいたり、「ラクガキング」と名乗るほど膨大な絵を描くことでも有名。

WEB) terras book
BLOG) terada's book brog
SHOP) TEE PARTY / 寺田克也半袖店




Twitterでのつぶやかれ

寺田克也インタビュー寺田克也インタビュー根本敬インタビュー蛭子能収インタビュー根本敬インタビュー石原まこちんインタビュー