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伊藤弘二氏インタビュー

10/01/22 06:39

『グワシ!楳図かずおです』

先生と一緒にいると面白い事がよく起こるんですよ。

楳図かずおを、見て、知って、楽しむ。
天才漫画家を追った、初めてのドキュメンタリー映画。

『グワシ!楳図かずおです』

2009年の11月に下北沢トリウッドにて上映され話題となった本作が
2010年の2月6日に1日限定の関西初上映!
(詳しくはイベントページにて)

そこで映画をより楽しんで頂ければと
今回の監督である伊藤弘二氏に突撃インタビュー!


■楳図先生との出会い

―伊藤監督と楳図先生の出会った切っ掛けは?

最初、楳図かずお先生のオフィシャルホームページが無かったので
楳図かずお情報というものを得られる場所がほとんど無かったんです。
知らないうちに楳図作品の単行本が出てたり、先生がテレビに出ていたりとか
そういう状態でファンは情報の入手に困ってる部分がありまして。
でも待ってても、誰かがHPを作ってくれるということもないので。
現役の漫画家さんだったら雑誌を読んでたら次にいつ本が出るか分かるんですけど
楳図先生は現役では描いてなくて。
「じゃあ、私が作れば良いんじゃないのか?」と思い、先生に打診したんです。

―そこで吉祥寺へ向かったと?

吉祥寺に住んでる人は「楳図先生を見た事がない人はいない」っていうくらいなんですよ。
普通に出歩いていらっしゃるので。
そこで、たまたま吉祥寺に行ったら丁度先生がおられたので
ホームページを作りたいという話をしたんです。

―その時が初対面だったんですか?

一応、手紙も出してたんですけど無視されてまして。(笑)
「何を訳のわかんない奴が言ってんだ?」って思われてたんでしょう。
いきなり面識もない人間から手紙が来て、ホームページがどうだこうだって。
それまで楳図先生のホームページが存在しないのは、先生が必要としてないから作ってない訳ですからね。
だから、必要無いと思ってるモノを
いきなり「作らせてくれ!」って言ってもね・・・(笑)
興味が無いって断られたんです。

―先生も突然の事ですもんね。

とりあえず
「一回、仮に作ってお見せするので、それで気にくわなければ辞めるって事でどうですか?」ということでお話をしたら
それならOKという返事をもらったんです。
仮といっても現在のUMEZZ.comとほぼ同じなんですけど
見せに行ったら「まぁ良いでしょう」となりまして。
それが2004年ですね。そこから今に至ります。

―じゃあ、切っ掛けはもう偶然から?

ほんとゼロから直談判ですね。
たけし軍団の弟子入りと同じですよ。(笑)


『グワシ!楳図かずおです』

■ドキュメンタリー映画の撮影まで

―そしてホームページ運営担当となった訳ですけど、どうして映画制作に至ったのですか?

UMEZZ.comのホームページを立ち上げてから、
最初に楳図かずお50周年記念Tシャツなどのグッズを作ったんですね。
その次に「楳図祭り」というトーク&ライブのイベントを企画して
構成台本とかゲストのブッキングとかも私が全部やりまして。
イベントをホームページでレポートするためのビデオは、かなり撮り貯めていたんですけど、
なかなか発表する場が無いんですよね。無駄にテープが増えていくだけで・・・
そこで、ちょっと工夫して上手く発表出来ないかと考えて
「だったら映画にしたら良いんじゃないかな?」
っていう発想からですね、始まりは。
それと「次に何やろうか?」というのを考えたときに
「映画だろ」っていうのが自分の中でもありまして。
やっぱり映画って一生残りますからね。

―しかし何故ドキュメンタリー形式で?

ドキュメンタリーとか深夜にテレビでやってるじゃないですか?
私も良く見てるんですけど
「これならカメラ1台でも撮れるな」と思いまして。
ドラマだったら役者さんとか色々と大変ですけど
ドキュメンタリーなら自分だけでも何とかなりそうだと考えまして。

―じゃあ映画を撮るのは今回が初めてで?

そうですね。
でも30才過ぎてたら映画なんて嫌でも数百本観てるんですよ、テレビでもやってるし。
それに映画って
「こんなのだったら俺が監督した方がオモシロイぞ!」って素人は思っちゃうんですよね。(笑)
そして、やってみて分かったんですけど
出来るんですよ、誰でもやろうと思えば出来はどうであれ、出来るんです。

―ご自身も「ホームページをつくろう」という動機から、実行していった結果
映画監督まで至ってますもんね。


ただ、皆やらないだけなんですよ、やっぱり面倒くさいですからね。

―でも実行するには覚悟と決心が要りますよね?また映画となると・・・

ドキュメンタリーってマラソンみたいなもので
マラソンだと素人が42.195km完走しても、
絶対に「スゴイね」って褒めてもらえるんですね。
たとえ歩いて行ったとしても。
そんな感じで今回はやりきれば
絶対にゴールに結果が待ち受けてるのが分かっていたんで。

―なるほど。ちなみに今回の具体的なゴール地点は何だったんですか?

それは家(まことちゃんハウス)が完成ってところですね。
ちょうど「映画を撮りたいんです」という話を先生にした時に
偶然「今から家が建つんです」という話をして頂いたので。

―タイミングが良かったんですね。

そうですね。
だから、完成するまで撮れれば必ず良いモノになると分かっていたんです。

―じゃあ、「家が完成するまで」という中で楳図先生の様々な側面を映し出すといった具合でしょうか?

楳図先生の場合は絵になる要素がいっぱいあるんですよ。
「絵」を描くシーンと、「歌」のライブシーンと、「踊り」の振り付けシーンや
「語学学習」のシーンとかタレント活動だったり。
それらを映画の90分に詰め込んだ感じですね。


『グワシ!楳図かずおです』

■映画を通して伝えたいモノ

―そうした楳図先生の活動から「○○を伝えたい」というようなメッセージテーマがあるんでしょうか?

そういうのが私はあまり好きではありませんでして。
ドキュメンタリー番組とか映画など観てますと
社会問題とか取り上げたモノばっかりで
あまり「笑える」要素っていうのがないんですね。
だから私はエンターテイメント性の方向でいこうと考えました。
楳図先生も辛気臭いのは嫌いだから。
でも、撮り始めたら裁判問題なんかが起こってしまって
多少はそっちに触れざる得なくなってしまった部分もあるんですが
それがメインじゃないんです。
今回の映画は笑えるシーンがいっぱい入ってるんですよ。

―ドキュメンタリー映画と重く捉えないで、気軽に観てもらえるような作品なんですね。

そうですね。
従来の楳図ファンの方から、テレビでしか楳図かずおを見た事がないという程度の方も
笑えるようなカタチに仕上がってます。

―監督自身、今回の作品を取り終えて何か発見とかありましたか?

いま楳図先生が原案と監督をしたオリジナルのホラー映画を企画されてまして。
あとはお金を出してくれる会社が決まれば、
もうクランクインできる状態までいってるんです。
現在も多才なんですけど
まだ更に新たな領域に手を出されているという好奇心がスゴイですよね。
73才で映画監督デビューですよ!
普通の73才の人はそんな事しないですからね。

―聞いているだけでもパワーを与えて貰えますね。

あと5ヶ国語も60才くらいから始めてらっしゃるので・・・
チャレンジすることに「遅すぎる」なんてことは無いんでしょうね。
何でも興味を持ったら、新しく始めるっていう姿勢は尊敬に値しますよ。
自分が73才になった時に
こういうバイタリティーを持てるのか?っていう。

―そうした楳図先生と身近に接してきて伊藤監督が感じるものが、今回の映画を見た人にも伝わると良いですね。

あと先生は見ている先が、世界とかそういう事を考えて活動されてるんですね。
先生が撮ろうとしている映画も
海外の映画祭とかに出品して賞を獲りたいという目的があったりするんで。
だけど、訴えている人間っていうのは(今回の作品でいう「まことちゃんハウス」の件)
自分の目の届く範囲の事しか興味がないんですよ。
そこの目線の違いっていうのが映画を撮ってて面白いなと思いましたね。
世界を見据えて考えている人には
「身近な事に何をこだわっているんだ?」って。

―そもそものモノを考える尺が違うんですね。

5ヶ国語の学習をしてるのも
「海外の映画祭で賞を獲ってスピーチする時に多少でも外国語で話せれれば良いな」
って仰ってらしたんで・・・

―あっ、作品を撮る前からもう賞を獲る前提なんですね!

先生の頭の中は普通の人には計り知れないんですよ。
私が「ああじゃないか?」「こうじゃないか?」なんて考えても無駄なんです。
だから今回のドキュメンタリー映画も過去の作品を掘り下げるのではなく
楳図かずお個人にスポットをあてて撮ってます。
純粋に「楳図かずお」という人物をご覧頂くだけで十分に楽しんでもらえると思いますよ。
やっぱり、そうした計り知れない人というのは面白いんです!

-完―

『グワシ!楳図かずおです』

伊藤弘ニ
1972年北海道生まれ。東京都在住。システムエンジニア。本業の傍ら、2004年から「楳図かずおオフィシャルホームページ」の運営スタッフを務める。2007年から2009年にかけて制作した「グワシ!楳図かずおです」が、初監督作品。
UMEZZ.com: 楳図かずおオフィシャルホームページ
映画『グワシ!楳図かずおです』公式サイト



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